テレビ 勉強

テレビをつけて勉強しても大丈夫?

リビングでテレビをつけて勉強していると、学習内容は身につくのでしょうか?
一般的にはテレビを観ながらの勉強はよくないと言われます。その理由は簡単で、勉強内容に集中できないからです。テレビのほうが面白くなって、そちらに見入ってしまえば、宿題や課題、ノルマがなかなか進まないわけですね。親が子供に注意したりするのには、そのような理由があると思います。

しかし、一概に勉強中のテレビがいけないというわけではありません。メリットもあります。
それは以下の点です。

  1. 勉強が苦手な人でも、気軽に取り組める
  2. リビングで勉強すれば、リラックスして取り組める
  3. 長時間の学習も苦にならない

学校の先生や家庭教師、親御さんは、教科書やテキスト以外から情報が入ってくると、勉強効率が下がると言って、勉強中のテレビを否定します。しかし、そんな硬いことを言っていたら、わずかな勉強のチャンスまで奪ってしまいます。一人で静かな環境では勉強できない人でも、テレビをつけながらなら出来ることがあります。それなら、あえてテレビを消す必要はないということです。

静かな環境でも学習するなら、テレビを観ながらの学習をそのまま続けながら、それ以外に静かに勉強する時間を確保すればいいと思います。テレビを観ながらの勉強は、言ってみれば準備体操。徐々にエンジンをかけて、気分が乗ってきたら勉強部屋に行き、本格的な学習を始めればよいのです。もちろんテレビをつけながらの勉強で終わってもいいと思います。

たとえテレビを観ながらでも、教科書を開こうという気持ちがある、少しでも勉強に取り組もうという気持ちがある・・・その点にこそ注目し、尊重すべきだと思います。

テレビをつけていると、なぜいけないか?

前段と矛盾するようですが、世間一般では、テレビを観ながら勉強すると、なぜ勉強効率が落ちると言われているのでしょうか?

それは脳に、テキストとテレビの両方から情報が入力されるために、ワーキングメモリの容量が激減してしまい、そのぶん記憶力が減退するからです。もちろん、どっちつかずですから集中力も低下します。

一番いけないのは、とても興味あるドラマや特集、バラエティー番組を観ながら勉強すること。これでは大半の時間をテレビを観て過ごすことになります。そのあいだ、勉強や宿題のほうは一向に進みません。それなら、思い切って勉強せずにテレビの方に集中したほうがストレス解消になりますし、効果的です。テレビを観終わってから学習に取り組めばよいのです。

ふつうに一人静かに教科書や受験参考書を黙読しているときは、視覚情報のみが脳内に入ってきます。しかしテレビをつけていると、視覚と聴覚から情報が入ってきます。人は外部からの情報処理を、前頭葉のワーキングメモリという「まな板」にのせて処理しています。ここの容量は少ないので、テレビをつけただけで、すぐに満杯になってしまいます。

できるだけ静かな環境で、外部からの刺激を少なくして勉強することが推奨されるのは、ただでさえ容量の少ないワーキングメモリを節約するためなのです。

ですから何かを記憶しようとか理解しようとするときは、テレビは消した方がいいことになります。しかし、そのほかのこと、たとえば宿題の問題を解いたり、過去問を解いたりする「作業的なこと」の場合は、テレビをつけながらでも、それほど問題はないように思います。ただし漢字や英単語の書き取りは「作業」のように見えますが、その本質は「暗記」ですので、テレビを観ながらはやめたほうがいいでしょう。

テレビをつけながらでも、それほど勉強に支障が出ない「観方」があります。それはテレビの内容に興味をもたずに、ただなんとなくつけておくという方法。とくに画面のほうを見ずに、なんとなく声がしているなという程度です。そして勉強に疲れたら、たまにちらっと画面を見るだけにします。これなら、適度な雑音が集中力を高めてくれますし、つまらない勉強を彩りのあるものに変えてくれる効果があります。たまに視点を遠くに向けることで、近くばかり見なくなるので、近視の予防にもなるかもしれません。

BGMのように、ただテレビをつけておく・・・これなら逆に効率的な学習方法となるわけです。

音楽や食べながらというのは、どう?

TVは視覚と聴覚から情報が入ってきます。
ただ先ほどのように、耳だけで聴き流し、たまにちらっと観るようにすれば、それほど勉強を邪魔することはないかと思います。むしろ、長時間の勉強を可能にします。

それでは音楽はどうでしょうか?
これも、好きな音楽を流しながら勉強することによって、学習への敷居を低くする効果があります。静かな環境では勉強しづらいけれど、好きな音楽をかけながらだと勉強できるのなら、ぜひ音楽をかけるべきだと思います。

ただ、これもテレビの例のように、あまりに興味のある音楽、たとえば好きなアーティストやアイドルの音楽だと、そちらに気持ちが行ってしまう危険性があります。勉強そっちのけで聴き入ってしまう可能性があるわけです。

ですからそれほど興味のない音楽、たとえば歌詞のないBGMやクラシック音楽がいいかもしれません。歌詞は言葉ですから、それが耳から入ってくると左脳が働きます。勉強は左脳が主体となるので、そこで干渉してしまうことも考えられます。これを避けるには、聞こえるか聞こえないかのボリュームに下げるといいかもしれません。

そのほか、おいしいお菓子やカップラーメンを食べながらの勉強はどうでしょうか?
これも、ほかのものと同様に、勉強に支障がない程度の刺激なら、かえって勉強効率を上げるのではないでしょうか。食べているときは味覚、嗅覚、触覚をつかいます。目や耳からも情報が入ってきます。

食べるときは五感を使うので、もし食べながら勉強するなら、10分くらい勉強に集中して疲れたら少し食べる、そして食べ終わったら緑茶などで口の中から味を消す・・・このような「リズム」をつくるといいかもしれません。味覚のほうに気が行ってしまうと、その間、勉強内容が入ってこないので、「メリハリ」をつけて、どちらかに集中するといいと思います。

テレビをボーッと観ていると脳が退化する

テレビをただボーッと眺めているときは、情報が入ってくるばかりで、思考が停止しています。
つまり視覚野や聴覚野は働いているけれど、それらの情報を処理したり判断したり実行したりする「前頭葉」があまり働いていないのです。

毎日、長時間、このような過ごし方をしていると、どんどん脳力が衰えていきます。
もちろん、ほかの時間帯に猛勉強をしている人なら、前頭葉を休ませることはリラックスにつながるので意味があります。

しかし、全く勉強もしなければ本も読まない人が、ただTVのスイッチを入れて眺めているだけの状態は危険なのです。

その点、テレビを観ながら勉強することは、前頭葉を休ませずにテレビを観れるので、まだマシというものです。ただ、その場合、テレビをBGM代わりにするか、食事のところでも解説したように、10分くらい勉強に集中して、疲れたらテレビのほうに注意を向けるという「リズム」を作った方がいいでしょう。テレビにも教科書にも、「同時に」注意を向けると、勉強効率が下がるからです。

とはいっても何度も言うようですが、勉強嫌いの人の場合は、そのような一見効率のよくない学習方法であっても、「気軽に勉強に取り組めるメリット」は見落としてはならないでしょう。