勉強効率

勉強効率をアップすれば、短時間の学習でもOK

勉強効率をよくすることが、学習方法の基本です。
中学や高校受験、大学センター試験、国家試験、各種検定試験に合格しようと思うと、とにかく勉強量を確保して、長時間学習すればいいと安易に考えがちです。

しかし気が散っていたり、「勉強をしているつもり」になっていたり、ぜんぜん記憶できなかったりすると、勉強効率が低いということになり、頑張っているわりに学力や偏差値が伸びない結果になります。

そこで、まずは短時間の学習でもよいので、勉強効率をアップさせ、質を高めるという意識をもつことが大切です。質の高い、内容の濃い勉強ができるようになったら、その時間を徐々に伸ばしていけばよいのです。

このやり方なら、今までよりも短時間で受験勉強を終えることができるので、空いた時間を趣味や余暇、スポーツ、気晴らしに使うことができます。ストレスがたまりがちな受験期間中においては、このようなメリハリのあるリズムが大切ではないでしょうか。

勉強の能率をアップしようとすると、ともすれば落ち着ける音楽を探して聴いてみたり、BGMを流したり、スマホのアプリに頼ってみたりしがちです。そのほか頭がよくなる食べ物やサプリメント、薬があるんじゃないかと期待してみたり、集中できる時間帯というものがあるのでは?と考えてみたり・・・。しかし、そのような「環境」に期待をかけるよりも、脳の特性を理解し、それを活用したほうが何倍も効果があります。

また、集中できる時間帯ということに関してですが、学習方法の極意は、いつでもどこでも行うことです。机の前だろうが電車のなかだろうが、バスの待ち時間だろうが、その場が即、勉強部屋となります。はかどる時間帯というものに期待をかけるよりは、その場で勉強するという気持ちが大切だと思います。

勉強効率を上げる方法は、具体的には?

さて肝心の、勉強効率を上げる方法です。

ここでは目的観がしっかり定まったものとして解説します。たとえば、「早慶上智を目指そう!」とか「東大に合格しよう!」「一橋・中央を受験しよう!」と最終目標を定めることは、入試試験の基本です。もちろん弁護士や行政書士、税理士、弁理士、一級建築士、不動産鑑定士、医師、看護師、薬剤師などを目指す場合でも同様です。

このような目標を設定せず、ただ受験参考書を学習しても、それでは勉強効率が悪くなります。
最終目標だったり第一志望校をまず決定すれば、受ける教科を絞れますし、出題されやすい問題だけに集中して「傾向と対策」を練ることができます。

当然といえば当然のことかもしれませんが、以上の大前提があると仮定した場合、勉強効率を上げるには以下の方法が有効です。

  1. 適度な緊張感をつくる (扁桃体
  2. 場所を移動し、動きを取り入れる (海馬
  3. 脳をトレーニングする (前頭葉

この3つの方法のどれか一つだけを実践しても効果的ですが、3つをすべて連動させると、さらに効果的です。あなたの勉強効率は最大限に高められることでしょう。ポイントは海馬からシータ波を発生させることと、前頭葉にあるワーキングメモリの働きを活性化させることです。

適度な緊張感をつくる

勉強効率を上げる方法として第一に挙げられるものは、適度な緊張感をつくりだすことです。
たとえば・・・

  • 勉強時間を短く区切り、タイムプレッシャーをかける
  • 空腹時に学習する
  • 肌寒い部屋で学習する

このように自分で工夫して、毎日の入試勉強に緊張感を添えていきます。
1年後とか2年後に本番の試験がある場合、なかなか実感がわかないものです。そのため「中だるみ」というか、どうしても気分的にダレてきてしまいがち。その結果、勉強の質が落ちてしまい、長時間学習しているわりに力がつかないということになるのです。

そこで、たとえば時間制限を設けて勉強してみる。今までは、なんとなく3時間つづけて勉強していた人は、1時間ずつに区切って、間に休憩をはさむのです。このように時間制限を設けることによって、一気に集中力が増します。休憩時間に楽しみを設ければ、モチベーションもアップし、さらに勉強効率が高まることでしょう。

そのほか勉強効率を上げるには、空腹時やちょっと寒いなという状況に学習することも有効です。そういったときは「適度な緊張感」を感じています。このとき大脳辺縁系にある扁桃体が刺激をうけています。扁桃体は感情や本能が起きる元の部分です。「お腹がすいたな〜」とか「ちょっと寒いな〜」というのは感情です。すると扁桃体が活性化して、そばにある海馬にも影響が及びます。

海馬は短期記憶を長期記憶に作り替える工場。扁桃体が活性化すると、海馬からシータ波が発生するので、記憶力が倍増します。扁桃体が活性化すると、海馬だけではなく前頭葉にも刺激が行き、勉強に対するやる気やモチベーションといったものも湧かせます。先ほどの時間制限も、いってみれば扁桃体の興奮を利用しています。

ただ過度に扁桃体が興奮してしまうと、前頭葉のワーキングメモリが占拠されてしまい、頭が真っ白になる危険があります。本番のテストで緊張しすぎるときや、スポーツで実力を発揮できないときなどがそうですね。緊張しすぎはマイナスということです。「適度に」緊張したときこそ、脳の力を最大限発揮し、最大限の集中力でもって勉強効率を引き上げていけるのです。

場所を移動し、動きを取り入れる

勉強効率を上げる方法の第二は、場所を移動しながら勉強したり、勉強場所を変えたりすることです。

記憶力に関係している海馬は、扁桃体の影響をうけてシータ波を発生させますが、動きによっても活性化します。たとえば歩きながら勉強する。よくウォーキングしながら英単語を暗記している人をみかけたりします。本人は時間を有効に使うために行なっているのかもしれませんが、実はすごく勉強効率が良い方法なのです。

人は、歩くという単純な運動をするだけで、海馬からシータ波という脳波が発生します。シータ波は集中しているときに出る脳波で、このときに記憶したことは、しっかりと脳に刻み付けられます。ですから準備運動や体操をしてから学習に取り掛かると、勉強効率が高くなります。運動しながらでもいいし、運動してから学習に取り掛かってもよいわけです。

一番いけないのは、いやいやな気持ちで勉強にとりかかってしまうこと。
このとき脳波はベータ波になっています。ベータ波の状態で学習しても、しばらくは効率的な学習にはなりません。その分、時間の無駄となってしまいます。勉強前にラジオ体操やストレッチをちょっとするだけで、海馬からシータ(θ)波が発生し、勉強効率が違ってくるものです。

まずは脳波をベータ波からシータ波に替える。それから学習に取り掛かっていきましょう。

シータ波は、運動だけではなく、場所を移動することでも発生します。
とくに真新しい場所、初めて行くような場所ではシータ波が優勢になります。その場所を覚えておこうという意識が働くからです。ですから、いつも同じ部屋で学習している人は、たまには図書館や自習室、喫茶店、ファミレスなどに行けば、おのずと海馬からシータ波が発生し、勉強効率を高めることができます。

脳をトレーニングする

勉強効率を上げるためには、脳をトレーニングすることも重要な要素です。
脳と言っても視覚野、聴覚野、運動野、体性感覚野、前頭連合野、頭頂連合野、側頭連合野など、さまざまな部位があります。このうち、どこを鍛えれば学習効率がUPするのでしょうか?それは前頭葉であり、とくに前頭前野、前頭連合野と言われる部分です。

人は後頭葉や側頭葉で、視覚情報や聴覚情報を受け取り、それを前頭連合野で集計して、いろいろな思考をしたり判断したり、また感じたりしています。勉強のやる気も前頭葉が発生源です。

前頭葉が弱い人は、勉強自体にやる気が出てこないので、だらだらと時間だけが過ぎていってしまいがちです。前述したタイムプレッシャーをかけたり、肌寒い環境や空腹時を利用したり、場所を変えて運動を取り入れれば、たしかに勉強効率を上げることができます。扁桃体と海馬のタッグだけでも、何とか勉強できるからです。

しかし前頭連合野の働きが弱いと、勉強できたとしても、そのあと疲れてしまいます。
そうなると、それがストレスになり、長い目で見るとコルチゾールが海馬を襲撃して、記憶力の低下をもたらす危険があります。

そこで大事になってくるのが前頭葉の強化です。
前頭葉にはワーキングメモリという機能があり、記憶の入り口になっています。入り口が広がれば記憶力もアップします。学習のモチベーションも衰えないので、ストレスがたまりにくくなり、質の高い勉強が可能になります。しかも、そのような状態を長時間つづけられるようになります。

前頭葉を鍛えるには「音読」や、小学校1,2年生でやるような「簡単な計算」が有効です。
英語や英会話、トフル、トイックを目指している人は、英文を音読すれば、英語の学習にも脳トレにもなるので一石二鳥ではないでしょうか。

このように勉強効率を上げるカギは、音楽とかBGM、食べ物、サプリ、アプリといった”環境”ではなく、「緊張感」や「運動」といったちょっとした工夫、そして「前頭葉を鍛える脳活」によって、いますぐにでも簡単に達成できるのです。