復習 やり方

復習のやり方ってあるの?

復習のやり方って言っても、ただ繰り返せばいいんじゃないの?
・・・このように思うかたがいるかもしれません。

しかし脳科学から導き出された「正しい復習の方法」というものが存在しています。それを知らずして、ただ無闇に繰り返していては、時間の無駄になりますし、また結局は記憶できないことになりかねません。

復習には適切なタイミングというものがあります。エビングハウスの忘却曲線がそれを示しています。
それによると、24時間以内に、覚えたことを急激に忘れていくそうです。ですから、それ以上経ってから復習をしても遅いということになります。

また学習方法において、いくら復習することが大切だからといって、まだ覚えているうちに反復しても効果が薄くなります。記憶が薄らいできたかな、という頃合を見計らって繰り返してこそ、それは効果的な復習のやり方となります。

また、反復しすぎというのも、よくありません。
これも早すぎる場合と同様に、まだ脳内に鮮明に残っているうちに、いくら繰り返しても記憶は強化されません。1日のなかでは、たった1回の復習で十分です。多くても2回までにとどめるべきです。そのほうが時間を有効につかえます。ほかの勉強に時間を割けるようになります。

このように復習のやり方は、タイミングがとても大切な要素となります。

まずは学んだ直後に反芻してみよう

英語や歴史、数学、社会科、理科などを学んだあと、教科書を閉じ、頭のなかで今学んだことを反芻してみましょう。復習のやり方としては、これがとても大事です。多くの人が、勉強本で書いている秘訣になります。

今勉強したこと、記憶したことを、頭のなかに再現してみるのです。長い時間行う必要はなく、ちょっとの時間で十分です。たったこれだけのことで、記憶の定着度が違ってきます。

そして、「あれ?なんだったかな?」というあいまいな箇所があれば、教科書を開いて確認します。このとき「ああ、そうそう」という発見が、記憶の定着に役立ちます。

エビングハウスの忘却曲線によれば、20分後には42%を忘れ、1時間後には56%を忘れるといいます。学んだ直後に、ちょっとだけ頭のなかで反芻することによって、忘却の速度を緩めることができるのです。

なお最初に覚えるさいに、しっかり理解したり、イメージと結びつければ、さらに忘却の速度は遅くなります。上記の42%とか56%というのは、意味のない音節を使った実験によるものです。ですから、できるだけ想像力を使ったり、論理的に暗記することによって、実際にはもっと覚えていられるものです。

忘却の度合いを、さらに緩める秘訣をお教えしましょう。これは復習のやり方としては、あまり知られていません。それはツァイガルニック効果を活用する方法です。いいところで、あえて終了することによって、そのことがずっと気がかりになります。テレビドラマは、いつも、いいところで終わります。CMも、いつもいいところで入ります。そうすると、次が待ち遠しくなり、内容を脳内で反芻しつづけるわけです。

あえて中途半端なところで勉強を終えることによって、食べているときも音楽鑑賞をしているときも遊んでいるときも、ずっと潜在意識下では学んだことを気にし続けています。これが「無意識の反復」となり、きりがいいところで終えるよりも記憶に定着しやすくなります。

からなず十分な睡眠をとる

復習のやり方や仕方といっても、学習することだけでは不十分です。
睡眠も大切な要素です。睡眠は体を休めるためだけのものではありません。また免疫力を高めて病気を予防したり、肌荒れを修復したり、骨や筋肉を成長させるだけが働きではありません。精神的な疲れを癒したり、記憶の整理といった役割もになっています。

睡眠不足になると、体の免疫力が落ちるとともに、精神的なストレスが解消できなくなったり、前日に学んだことを長期記憶として定着しづらくなります。

睡眠にはレムとノンレムという2つの周期がありますが、どちらも記憶の定着にかかわっています。
勉強にかんしては、どちらかというと深いノンレム睡眠のほうが大切です。

従来は、夢を見て、高速眼球運動をともなうレム睡眠時に、記憶の整理や定着を行なっていると思われていました。しかし、レム睡眠時は体の記憶である「手続き記憶」を定着する時間です。

いっぽう寝初めの3時間に多く現れるノンレム睡眠は、宣言的記憶、つまり意味記憶とエピソード記憶の整理と定着にかかわっています。電気工事でも作業をするには、いったん電気を切らないと危ないですよね?それと同じように、脳内で配線のつなぎ替えをするためには、脳を深く休ませているノンレム睡眠時が最適なのです。夢を見て、起床時以上に活発に賦活しているレム睡眠時では都合が悪いわけです。

かといっても睡眠時間を3時間だけとれば、勉強したことが定着するかといえば、そうではありません。
睡眠時間中はずっと、レムとノンレムを交互に繰り返しています。日中に学習したことを脳内に刻み付けるには、最低でも6時間は寝る必要があるといわれています。

睡眠中は、じつは前日に勉強したことを脳内で「復習」しています。これこそが、本当の睡眠学習ですね。眠りが深いほど記憶の定着が促進されるので、寝る前に酒(アルコール)を飲んだり食べたり、直前に激しい運動をすることは控えましょう。深い睡眠をとることも、立派な「復習のやり方」の一環なのです。

その後も定期的に復習をつづけよう

復習のやり方は、当日の復習だけで終わってはいけません。
それだけでは、エビングハウスの忘却曲線が示すように、時間とともに忘れていってしまいます。学んだ当日に1回だけ復習しただけでは、あくまでも忘却の度合いを緩める効果しか期待できません。

また、1日勉強しただけでは、まだ短期記憶の段階なので、いずれ海馬から消去されてしまいます。海馬とは記憶を管理する脳の部位。勉強した内容は、ここに約1か月間とどまりつづけます。

この1か月間のうちに、短期記憶を長期記憶にするかどうかを、海馬が吟味しているのです。ですから1か月間は、あいだを置いて復習していくべきです。何度も海馬にアプローチすることによって海馬は、
「これほど頻繁に入ってくる情報なんだから、きっと重要なことに違いない。側頭葉にある長期保管庫に移そう」と判断してくれます。

勉強した当日は1回だけ復習し、しっかり睡眠をとります。次の復習のタイミングは、翌日です。これで3回学んだことになります。ここまでくれば忘却の度合いは、かなり緩やかになります。ただ1か月以内にあるうちは、度合が緩むだけなので、タイミングを見計らって繰り返していく必要があります。

翌日に復習をしたら、つぎは1週間後、そして2週間後にも反復します。復習のやり方としては、無難な方法です。

最後に1か月後に、もう一回復習をします。これで、海馬から側頭葉に移動するための「切符」を手に入れることができます。

ただし人間の記憶というものは、使わないでいると、どんどんさび付いていくものなので、その後も復習を繰り返していきましょう。ただし、そんなに頻繁に行う必要はありません。当日、翌日、1週間後、2週間後、1か月後という流れを見てもわかるように、徐々に間隔が広がっていきます。

1か月後のあとは、3か月後、6か月後、1年後というように、どんどん広がっていくので、そんなに大変な復習のやり方ではないと思います。しかも反復するたびに、理解と記憶は進むので、最初に学んだ時の何倍、何十倍もの速度で勉強が済みます。身についていることが実感できるので、とても楽しい学習になるのではないでしょうか。




編集後記

復習には普段の家庭学習のほかに、中間・期末テストや模試(模擬試験)の復習も大切です。本文ではテキストを何度も反復して黙読するという意味で、復習のやり方を述べました。それ以外に、たまに発生するテストや模試という「イベント」時の復習は、とても大きな起爆力を秘めています。試験で何度考えても分からなかった、あの問題。正解はなんだろう?このように煩悶したことというのは、反復しなくても、その後ずっと脳内に経験として残ります。知識記憶を経験記憶にできる、絶好のチャンスなのです。この機会を逃してはいけません。間違った問題は、二度と間違えないようになれるチャンスです。テストや模試のあとは、かならず答え合わせをして、何度も繰り返し復習をしましょう。
テストは、スポーツ選手や格闘家における試合のようなものです。普段の反復練習も大切ですが、彼らが飛躍的に成長できるのは、試合の場数を踏んで、そこから何かを学ぶ時ではないでしょうか。テストや模試も、飛躍的に力をつけるチャンスなのです。そのために間違えた箇所は、必ず復習をし、自分のものとしましょう。弱点ノートをつくって、間違えた箇所や苦手な箇所だけをまとめるという方法もオススメ。弱点箇所が、すべて1冊のノートにまとまっているので、いつでもどこでも電車のなかでも復習することができます。復習のやり方としては、とても効果的な方法です。
なお予習をしておくと、学習効果がさらにUPします。予習をすることによって、授業や講義が「復習」にもなるからです。また疑問点を携えて授業にのぞめば、それだけ集中力も違ってくるでしょう。ただ予習と復習のどちらが大切かといえば、それは断然、復習のほうです。予習と授業だけでは、エビングハウスの忘却曲線をみてもわかるように、いずれ忘れていってしまいます。どうしても間隔を置いた復習の時間が必要なのです。ただ本文でも述べたように、復習の回数を経るごとに学習時間は少なくなっていきます。最後は、サラッと速読するだけでも理解できるようになります。復習のやり方、仕方を身につけることこそが、学習方法の王道であり秘訣といえるのです。